Harmless Kitty(1994)
奈良美智(1959- )
アクリリック/綿布
東京国立近代美術館
おなじみの奈良美智作品です。昨年夏のことですが、豊田市美術館で奈良美智展が開かれていたので、東京に巡回するかなと思って電話で聞いてみると巡回はしないとのことだったので、新幹線に乗って日帰りで行きました。展覧会の交通費に2万円は痛かったですが、でも人間いつ死ぬか分からないし、見たい物は見られるときに見ておいた方がいいです。
で、そのときに作品を見ながらつらつら考えたのが「一体この絵のどこが、おれを惹きつけるんだろう」なのです。ご存じの通り奈良美智作品と言えば、へちま顔の女の子が多少にらみ気味にこちらをじっと見ている絵がほとんどです。「見ているうちに内省を誘う、云々」という解説文もありましたが、まあそういうことなのでしょう。
わたしは描かれている女の子の各々のパーツに、眼や鼻や口、髪型や肩や衣服に、それぞれ自分の母親や恋人や娘の存在を感じました。奈良美智の絵にはそういう普遍性が描かれていると思うのです。