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ルドン ひらかれた夢

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ルドン展チラシ
オディロン・ルドン(1840-1916)
2018年7月22日から12月2日まで
ポーラ美術館

さすがに企画展展示品の写真撮影はNGなので、チラシの写真だけアップしておきます。

一番興味深かったのは、水木しげるが目玉のおやじのキャラクタを創るときにルドン作品を参考にしたというエピソード。びっくりですね。でもまあこの奇妙で幻想的なイメージは、これまで画家に限らず、小説家、漫画家、映画監督等々、あまたのアーティストに多大な影響を与えてきているだろうことは容易に想像がつくでしょう。現役の幻想派?アーティストとしてイケムラレイコ、柄澤齊、鴻池朋子の3氏の作品も展示されていました。版画家の柄澤齊は今回初めて存在を知ったのですが、3種類の洪水のイメージがとても面白かったです。

わたしはルドンはあまり好みではないのですが、こうやって一度にたくさんの作品を鑑賞していると、色々と感じることはあります。まずは色。パステルカラーでも原色でもなく、宝石というか、それよりも鈍く暗い色の鉱石や硬玉の色なんですよね。ザオ・ウーキーの色調で絵を描いた感じです。あとは赤錆びの色も印象に残りました。版画などのように墨一色の作品は鑑賞者の想像力をかき立てますが、幻想的な作品には爽やかな明るい色とか、はっきりとした色は使いにくいのでしょうか。

次に幻想の中身です。感じるのは得体の知れない不安と死。それをロマンでくるんでいます。あと若干のユーモア。このユーモアをグロいと感じる人ももしかしたらいるかも知れませんが、血がどばーっというグロは出てきません。エロも出てきません。感じもしません。よく一緒に比較されるモローの方は、エログロをロマンでくるんで口当たりをなめらかにした幻想ですが、またそれとは異なる幻想ですね。wiki等で調べてみるとモローもルドンも同じサンボリズム(象徴主義)というカテゴリーに入れられています。モローは写実主義の幻想、ルドンは印象主義の幻想、でしょうか。

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