第86回 版画展(一)

最終更新日


2018年10月7日から10月22日まで
東京都美術館(ロビー階 第1・2・3展示室)

ほぼ全ての作品がガラスフレームの額縁を使用しているため、写真は照明等の写り込みがひどいです。ご容赦ください。

作家名と題名の横に版画の種別欄があって、木版、銅版、平版、孔版、デジタルプリント、その他の計6種類がありました。版画と言えば木版と銅版程度しか思い浮かびませんが、こんなに種類があるんですね。でもよくよく考えてみれば版画とは印刷のことなので、オフセット印刷とかグラビア印刷とかスクリーン印刷とか、印刷の種類はすべて版画の種類でもあるということなんですね。ちなみに版画という言葉があるのは日本のみで、世界ではあくまでも「PRINT」、つまり印刷なのだそうです。

「魚の日」銅版 日向野 桂子

魚の日とは「魚のための日」なのかなと思ったら、「今日は魚を食べる日」の意味でした。にゃんこが嬉しそう。画面を構成するすべてのオブジェクトが象徴的で、見ていて飽きません。

 

 

 

 

 

 

「friends 6」銅版 日高 理恵

見事なまでのだらけっぷり。犬も人間も緊張感ゼロです。だらけ大会があったら大賞間違いなしです。

 

 

 

 

 

 

 

 

「N.extension 201802」その他 大石 照美

目を近づけて見ても普通の絵画としか見えない作品です。版画種類のその他って何でしょうね。

作者はまったく意図していないでしょうが、こうやって照明の映り込みでテカりが入った作品を少し離れて見ると陶器の作品にも見えて面白いです。

 

 

 

 

「ゲーム」銅版 山口 あかり

龍に襲われている図かと思ったら、みんな楽しそうです。にゃんこなんて肩車してるし・・。両側の鉛筆に張られた網はネットで、みんなでバレーボールかなんかしているんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

「森の記憶 -’18-7」その他 大沼 正昭

木版画は、西洋ではキリスト教を広めるために、中国では仏教を広めるために発達した印刷技術なのだそうですが、それが仏教の教えとともに日本に伝わったのが飛鳥時代(592年~710年)。そして思想を広めるためではなく、娯楽や芸術の用途に使われ始めたのが日本では江戸時代の浮世絵からだそうです。この作品などはノミで木版を彫ったようなカクカクした絵柄から、明らかに手法は木版画なのだろうなと思いきや、その他なんですよね。どうやって作ってるんでしょう。

 

 

 

 

「森の記憶-’18-6」その他 大沼 正昭

こちらも同じ作家の作品です。木版画のように簡略表現されたそれぞれのオブジェクトが、象徴的抽象的なイメージたっぷりで何とも魅力的です。

 

usr@redtabby

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