2022年8月10日から11月7日まで
国立新美術館
「余白の芸術」は良い本です(1,2年前に読み始めてまだ完読してませんが、、)
自分はそろそろ還暦でもう若くはないのですが、それでも触発される言葉が山のように出てきます
しかし作品のほうには全く触発されず、これまで良いと感じたことは一度もありませんでした
そもそもモノ派の作品って解説を読んでも自分には理解不能な作品が多いです
そんなわけで今回の李禹煥展は敷居がとても高くてなかなか鑑賞したい気分にならず、開催終了間際になってやっと行ってきました
関係項ーアーチ
2014/2022
石、ステンレス
作家蔵
この作品の前に展示されていた砂利の部屋や石とガラス板の作品(撮影不可)は堪能しましたが、この屋外の作品にはどうも感応しません
でかいヘッドフォンにしか見えず
砂利を敷き詰めるのは大変だったろうな、という観点では感心しました
恐らく周囲に色んな物がありすぎるのだろうと思います
点より
1973
岩絵具、膠、カンヴァス
砂利の部屋とか石とガラス板の作品とかを見た後だと、いままで全く感応できなかったこの手の作品に少しずつ心を動かされるようになってきました
線より
1980
岩絵具、膠、カンヴァス
入口で漫画のパンフレットを配布しているのですが、それによるとこれらの点や線の作品は修正無しで集中して十数時間ぶっ続けで作成されているとのこと
それを読んで少しぐっときました
あとは磁土を一滴一滴垂らして作る、さかぎしよしおうの作品を感じました
照応
1992
岩絵具、油、カンヴァス
ここら辺から段々と作品に書道の運筆の勢いや墨の濃淡の美を感じるようになってきました
応答
2022
アクリル絵具/カンヴァス
この作品で、これは禅なのだ、ミニマリズムなのだ、と感じました
対話
2020
アクリル絵具/カンヴァス
そう感じると、あの砂利の部屋や石とガラス板の作品も禅寺の庭園に見えてきます
対話
ーウォールペインティング
2022
アクリル絵具/壁
とうとうカンヴァスも消えて壁だけになりました
ボルタンスキーをちょっと感じました
関係項
ーサイレンス
2006/石:2014、カンヴァス:2022
禅ですよねえ、、
しかも会場で見たときよりも、こうして画面で観ている時の方が感動が強いです
しかしこの作品だけを単体で見ていたら、とてもこのような心境にはならなかったろうと思います
点や線の作品、石とガラス板の作品などを見続けて、ようやくこの作品に感応できる境地に自分の心境が変化したような気がします
最後に全く違う画像を貼ります
天皇陛下(2017年当時)とサルマン皇太子の皇居での会見風景
この風景を思い出しました
ミニマリズムですよねえ、、