第93回 国展(2)
フラクタクル図形や細胞などの、いわゆる複雑系の魅力がたっぷりな作品です。生命とか精密機械とかカオスとか、うぞうぞとうごめくような不気味さもあります。
この作品は下の写真の視点で見たときに俄然おもしろく感じました。
おなじみミッドタウンタワーですが、こうしてみるとどっちが彫刻でどっちが建物なのか一瞬錯乱しました。ちょっとくらくらする感覚です。
この作品もタイトルが深いです。腕に突っ伏しているので視覚は閉ざされているが、それ以外の感覚は鋭敏過ぎるほどに外界を意識している、という内容をこれほど具体的に表現している彫刻を見るのは初めてです。
可愛い物好きな方は是非会場で実物をご覧下さい。巨大なとかげがこれほどまでに可愛いものだとは思いませんでした。
月が山にめり込んで宝石の台座にセットされた真珠のようになっています。パール富士の構図をさらに大胆にするとこうなるのかも知れません。不思議かつ神聖かつスペクタクルな印象も感じます。