第83回 新制作展
2019年9月18日から9月30日まで
国立新美術館

部屋の中にイラストの木や果物や鳥を配置したように見えます。切り絵のような感じもあってとても面白い。コマーシャルとか映画で、実写とアニメが混在したものがありますが、この作品から受ける印象はその感覚に近いです。映像作品はCGなどで見慣れてしまっているので今更特に感動はありませんが、絵画でこの感覚はまだまだ新鮮です。

この作品を単体で見たときには特に何も感じなかったのですが、次のRAIL WORK Ⅵを見てから印象が変わりました。

自分は鉄道ファンではないのですが、このレールのモノ感はちょっと癖になりそうです。錆具合、切断面、溶接具合、鉄の匂い。クラフトマンシップを刺激する素材とでも言うか、ああこの感覚が伝わるでしょうか。

重量感のある化石という印象です。ちょっと目が怖い感じもありますが、でも可愛さのほうが勝ちます。

後ろのペンチの先のような突起がよく解らないけどなんか面白いです。タイトルに偶蹄とあるのでひつじとかなんでしょうが、ちょっとマンボウも感じました。

モダン、シンプル、スタイリッシュ。お店でも自宅でもこの作品が壁に掛かっているだけで、いっきにおしゃれな雰囲気になりそうです。

暑かった夏も終わり、あと数ヶ月でこういう風景になるんですよね。雪が恋しい。湖面の中がそれぞれ別世界のようで綺麗です。それにしてもやけに幾何学的な遊歩道ですね。

草の匂いがしてくるような景色です。先日ワイエス展で見た「クリスティーナの世界」がやはりこのような野原と空の比率だったので、いささかダブって見えてしまいました。手前の壊れた柵が良い感じです。