第43回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展(3)
いいです、この鉄の枯れ葉。確かに鉄錆って枯れ葉と比較して、色といい腐食の進行度合いといい、よく似ていますよね。経年劣化でさらに腐食するのが楽しみです。
鉄って芸術表現をする素材として扱うには、重いし、硬いし、加工しづらいし、移動もしづらいし、おまけに汚らしく錆びてしまうというデメリットばかりの素材のように感じるのですが、そのデメリットを逆に魅力と感じて作品に使用するアーティストがいて、その作品を見て面白いと感じる人もいる、というあたりが人間の多様性ってやつなのかなと思ったりします。
どこら辺が転生装置なんだろうと回り込んでみると、
お棺のようなゆりかごのような、、だから転生装置なんですかね。
画面に何も映っていないときには、このペンキ汚れはきたならしいとしか感じないのですが、画面に何かが映し出されると、この汚れにはっとするような美しさを感じる瞬間があります。この違いが面白いです。
綺麗すぎてとてもぼろには見えませんが、でもタイトルと内容がマッチしていて、さらには作者の郷愁感とかも感じられて、というかこの感覚は誰でも解りますよね。たとえぼろでも狭くてもそれなりに居心地が良いという、普遍的なわが家を描いた作品です。住めば都。
綺麗の一言であります。