第65回記念 新美術展
2018年8月8日から20日まで(一般500円)
国立新美術館(2階展示室2A)
「利根に立つ」糸井 達男
地面から空につながるグラデーションが見事です。葉が一枚もなくても、大地にどんと根を張った樹木には崇高なものがありますね。幾重にも伸びた枝に生命の不思議さと複雑さを感じます。
「婆ちゃんの万屋」石原 淑子
平成になると徐々にこういうお店はなくなって、キャンドゥとか100円ショップに姿を変えてしまいました。寂しいというか味気ないというか、でもこれが時代の流れなんでしょうね。こういうお店って中に入ると、独特の乾いた匂いがするんです。匂いから思い出がよみがえることはよくありますが、見たものから匂いがよみがえることってなかなかないですね。
「ひととき」北野 千春
一匹はこちらをじっと見つめ、一匹は上にある花を見ています。何か鳥か虫でもいるんでしょうか。残る茶トラはお昼寝中。花に比べて猫が小さすぎるので遠近感にくせを感じますが、ルソーのような牧歌的なほんわか感があります。
「野の詩」太田 洋子
日本画っていいですよね。ほっとします。でもあくまでも正座の姿勢は崩さず、その中で感じるくつろぎ感です。題材はなんの変哲も無い、どこにでも生えている雑草ですが、それを絵にするとなんと味わい深いものになることか。歌に詠めれば味わい深し、ってやつでしょうか。
「森のメリーゴーランド」和田 妙
周りの草木の雰囲気はルソーとかボンボワの世界なのですが、絵が上手なところが一番の違いでしょうか。これだけ物語性があると、絵本で読みたくなります。