第44回 現代童画展（二）
脇の赤い小箱の上から子豚が数匹顔を出しています。脳裏に、自転車に小さなお子さんを乗せて走っているお母さんの姿が浮かびました。見かけるたびにいつも大変だなと感じているのですが、同時に母親のたくましさに感服もしています。生きるって大変だけど、それだけの価値はあります。
孔版画です。工芸品の水差しのようなフォルムと羽根や冠を彩る多様な紋様に惹かれました。照明の映り込みが残念です。
ぼろぼろに剥がれた紙の下からなにやら紋様が表れています。現実に壁がこういう状態だったら汚さを感じこそすれ、とても綺麗だとは感じないはず。どうして額縁の中に入れるとこうも魅力を感じるようになるのでしょうか。
ー うえみれば虫っこ なかみれば綿っこ したみれば雪っこ ー 津軽のわらべうた
上から舞い降りてくるニコニコした妖精のような雪っこが可愛い。東北地方にはこういう童歌があるんですね。
日本画かなと思ったら水彩画でした。朝もやの林を照らす陽光が幻想的で綺麗。
タイトルのさようならは作者が右下のキジ白に対して言っているのか、キジ白がわれわれに対して言っているのか、どっちでしょう。
またね～。
建物の存在感が強烈です。PC上で画像を見ていても建物だけ浮き上がってくるような感じがあります。空の色がまた独特。どんよりと曇ってはいますがルノワールのような虹色の空です。かといって違和感はまるでなく、むしろ手前の建物をさらに浮き出させているような効果を感じます。
この立体感。食い入るように見てしまいます。
