第87回 独立展
2019年10月16日から10月28日まで
国立新美術館
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以前どこかの展覧会で中国の方が描いた泥だらけの轍道の絵が、まるでそのまま絵の中に入って行けそうな雰囲気を漂わせていたのに痺れた覚えがあります。この絵にもその雰囲気を感じました。ただし、やはりPCの画面じゃだめですね。
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前作から、すっかりこの編み目のファンになってしまいました。同じ編み目でもある箇所は網タイツに、或る箇所は細胞膜のように見えて面白いです。
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写実、線分、ベタ、パターン。さまざまな素材が混在した画面。パルコとかの前衛的な面白さを感じます。もっともパルコはもう古いのかも知れませんが。
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急にあたりが暗くなって、空からはごろごろという音。ひと雨来るぞという感じが伝わってきます。音も匂いも感じる作品です。
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以前、手前にあるしわくちゃなビニールだけの作品を見た記憶があるのですが、その時にはリアルな写実感は感じたものの、それ以上の印象は受けませんでした。でもこうして落書きの壁が背景になるだけで俄然面白くなるもんなんですね。ストリートファッション系のお店なんかに掛かっているとおしゃれ度がワンランクアップしそうな感じです。
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鏡の迷路とかY字路を感じました。どちらかの道を選ばなくてはならない焦燥感と、それぞれの行き先に待ち受けるものへの期待感が入り混じったあの奇妙な感覚。