富士山(1965年頃)

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徳岡神泉(1896-1972)
紙本彩色
東京国立近代美術館

神泉は制作に行き詰まると、よく富士山を見に出かけたそうですが、その割には富士山を描いた作品はこのほかに1点だけしかありません。そしてどちらの作品も生前には発表されず、遺作展で初めて公開されたそうです。
図録を見ると、最後の方にこの作品の下絵が22点掲載されており、山頂に傘がかかっているものや赤富士などの色違いはありますが、でもまあ下絵だから当然ですが、構図はすべてこの形です。
この図録には、この作品は神泉が日展に出展するつもりで制作し、東京会場にまで運びながら、迷ったあげく出展を取りやめて京都に持ち帰った、とのエピソードも掲載されていました。
わたしは神泉らしい作品だと思うのですが、本人は何が気に入らなかったのでしょうね。

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