シェル美術賞展2020(1)

最終更新日


2020年12月9日から12月21日まで
国立新美術館

「次世代を担う若手作家のための公募展」だそうです。実は昨年も行こうかなと思いながらも、webで詳細を確認したら会場が1ブースのみでのこじんまりとした展示のようだったので、大したことないだろうなどと勝手に思い込んで行かなかったのですが、これは大きな間違いでした。
ほぼ全ての作品に、作家自身によるコメントが掲載されています。これが作品に負けず劣らず面白かったので、今回はその画像も添付します。

おおこれは素晴らしい。でもどこかで見たなとタイトルを確認すると、ルノワールって書いてありました。作品名が判らないので家に帰ってからググって見たら「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」でした。オリジナルも素晴らしいですが、この作品も素晴らしいです。てかこっちの方が断然良いです。

 

デビッド・ホックニーもこういうシンプルで透明感のある作品を描く画家ですが、この魅力って何だろうと考えていたら、そう言えば小林孝亘の作品にもこれと同じような魅力があるなと、そこで初めてホックニーと結びつきました。当然それぞれ趣は異なるのですが、ノイズのまったくないクリアな作風は共通しているように感じます。でも一体これのどこに魅力を感じているのか、自分自身いまだに解らない、というか言語化できていません。

 

そうなんですよね。みんな物語に飽きちゃったんです。絵画に限らず文学も音楽も映像作品も。今に限った話ではなく、人間って嗜好が成熟して老成すると恣意的な物語に飽きちゃうんでしょうね。それでも時々、古い昔の作品が再認識されたり、この展覧会のように従来とは異なる新しい感覚が生まれてきて新鮮さを与えてくれるので、芸術は面白いです。

 

「偶然性、無作為性」というと、絵画ではポロックとか白髪一雄とか、音楽だと即興ジャズとかが思い浮かびます。無作為に作られた作品であっても、わたしなんかは妄想力が強いので、この作品を見てアメリカ大陸を感じてしまったり、昔住んでいたボロアパートの押し入れのふすまを思い出してしまったりするのですが、余計なことは何も考えずにぼうっと眺めて感じていられる人が一番幸せなのでしょう。考えるな、感じろ、ってやつですね。

 

線分、ベタ、グラデーション、無形、有形、いろんな異なるオブジェクトが混在していて心地よいです。

 

この少し厚みのある半透明の青い形状のものが綺麗で魅力的たっぷりです。背景の少しずらした2色の格子と灰色の形状のものとの関係性も面白い。

 

どう見てもお通夜の風景のようなのですが、近親者は仏様の周りでなぜかにこやかだし、そもそもこの全員のカメラ目線はどう見ても記念写真を撮っている様子です。初めは違和感たっぷりだったのですが、作家のコメントを読んだり、何度も見返したりしているうちに、ああなるほどと納得を感じたり、でもやっぱりなんか不気味に感じたり、その印象はいまでも絶えず揺れ動いて一定しません。

usr@redtabby

シェアする

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください