第103回 二科展(三)

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「Arid Horizon」岡田 俊平

極度に乾ききった不毛の地では影さえもが干からびて大地に固くへばりついてしまう。空洞と化した眼窩がこちらを恨めしそうに睨んでいます。ああ、ポエミー。

 

 

 

 

 

 

「漂う(Ⅰ)」吉田 多鶴恵

爽やか。シンプル。軽やか。質素で清々しいです。でも緊張感も漂っているのでリビングとかダイニングとか、生活臭の強いくつろぎの場所には飾りたくない気もします。集中ができそうなので勉強部屋、書斎、茶室には合いますね。お寺さんとか教会にはぴったりです。背筋がぴんと伸びて、内省を誘う作品です。

 

 

 

 

 

 

「O’sora de Sampo “LEDA”」工藤 直

ひゃっほー。心の底から嬉しそうですね。見ている方も楽しいです。白鳥も優雅に羽ばたいています。タイトルにレダとあるのでギリシャ神話のレダと白鳥がモチーフのようです。詳しく知りたい方はwikiでどうぞ。でもこれではゼウスは誘惑というより舎弟になってるような気もします。

 

 

 

 

 

 

 

 

「風の詩」柴崎 益代

仰いで感じ取ろうとする者、うつむいて感じ取ろうと集中する者、完全に身を任せてしまう者、三者三様の姿に見えます。何かをつかもうとする姿勢は人それぞれですね。

 

 

 

 

 

 

 

「雪風紋の朝」清水 英子

ざく、ざく、ざく。世の中で何が気持ちが良いと言って、雪道をざくざくと踏みしめながら歩くことほど気持ちの良いことはありません。踏みしめる雪の感触、ざくっ、ざくっ、きゅっ、という雪を踏みしめるときの音、どさどさっと枝から落ちてくる雪の音、でもそれ以外の音は全部雪に吸収されて、あたり一面はしーんと静まりかえっています。朝日に照らされた雪のまぶしさ、頬に当たる冷たい風、朝の匂い。

 

 

 

 

 

 

「せかいのたね」田中 とも恵

透き通ったゼリーをかき混ぜたときのような情景が画面いっぱいに拡がっています。光の反射と屈折できらきらと輝くゼリーの細かい断片。その中でせかいのたねが元気に動き回っています。すくすくと元気に育って欲しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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