第80回記念 一水会展(二)
写真撮影時に額縁のパネルに照明等が映り込んでしまって困惑することは度々ありますが、嬉しかったのはこれが初めてです。何たる美しさ。もちろん本作品ありきの相乗効果による美しさですが、まるでバスの後ろの席から後続の車列を眺めているような感じです。いまにも動き出しそうです。
目の覚めるような景色です。建物の白い壁に赤い屋根、うしろに見えるのは地中海。ダリやピカソが愛した場所だそうです。この景色だったらわたしだって愛します。書斎や応接間に飾ると一段とゴージャスな場所になりそうですね。わが家にはどちらもありませんが。
獺祭って銘柄のお酒があるのは知っていますが、本来の意味を知らなかったので調べてみました。カワウソは自分の捕った獲物を岸に並べる習性があるらしく、そこから何かの参考書や資料などを並べたりする様のことを獺祭とか獺祭魚などと形容するようになったそうです。
黒一色の背景、青い蝶々、金色のマスクが、写実画に加えて何やらシュルレアリスムの妖しい雰囲気を感じさせています。
気根も初めて聞く言葉です。きね、じゃなくて、きこん、って読むんですね。通常、草木の根は地中から下に伸びて行きますが、それが茎や幹から空中に出る場合があって、そのことを気根と呼ぶのだそうです。
尋常ではない生命力の神々しさを感じるのはもちろんですが、それに加えてちょっとおどろおどろしい気味悪さも感じます。絵の上からでもいいので、しめなわを巻きたくなる作品です。
この苔のような鬱蒼とした森と、その森が鏡のように映り込んだ湖面。どちらも質感がたまりません。この作品は、ほんの少しだけ顔を出している明るい青空がアクセントになってるんですね。
高架下の河川の情景は都会だったらさほど珍しくはない風景ですが、光と影の陰影が生まれるので趣があります。右側がほぼグレー一色、左側の真ん中から上が色付きの風景になっていて、この対比がとてもきれいです。