第44回 AJAC展
2018年9月27日から10月5日まで
東京都美術館(2階第4展示室)

董邦達(とうほうたつ):中国清時代初めの文人画家、とあります。
董邦達に似たような葉落の作品があってそれを倣っているのでしょうか。説明書きとして次の但し書きがありました。
『テキストは、西垣晴次著「ええじゃないか」ー民衆運動の系譜(新人物往来社)1973年、から引用させて頂きました。』

「ええじゃないか」の手をひらひらさせて踊る光景と、葉がひらひらと舞い落ちるさまが脳裏に浮かんだのですが、印象として正しいでしょうか。
それはともかく、黒に金の絵柄と文字が綺麗です。特に何やら象徴的に描かれている魚にはぐっときました。

画面の上部は浜辺と海でしょうか。手前のごつごつとした岸壁の周りを鳥が飛んでいるように見えます。簡略化されてデザインアートのような姿になった鳥たちが、この画のざらざらとしたマティエールに溶け込んでいてとても良い感じです。全面に明るい爽やかな色が使われていて、その中で鳥の青い影の色がいいワンポイントになっています。

この作品は非常に綺麗な作品なのですが、絵の上から透明な樹脂でかなり厚くコーティングがされているので、写真撮影時に館内のEXITランプが映り込んでしまいました。やや左中央の下あたりです。残念です。そろそろ本気で映り込みの対策を考えないといけないようです。PLフィルタを付ければ何とかなるのかも知れませんが、でもコンパクトカメラにアダプタとフィルタを付けると全然コンパクトじゃないし、そもそも一眼レフを持っていくほど本気で撮影をしている訳でも無いし、とはいうものの映り込みはとても気になります。素人とは言えカメラを持つと人はこうなるのですね。

日が差し込む喫茶店の窓辺で、外の植え込みなんかをぼうっと眺めているとこんな感じになりますよね。いや別に喫茶店じゃなくてもいいんですが・・。ネオンや車のヘッドライトがきらめく夜の街の光景にも見えるし、その時々によって様々な印象を与えてくれるので抽象画は好きです。

鉄板が錆びたような、レンガに焼き付けたような、そんな色合いです。町工場の壁とかシャッターにこんな絵が描かれていたらバンクシーみたいで粋ですね。

中東、ヨーロッパ、東洋、いろんな要素が入っています。柄と飾り罫が緻密に入っていて綺麗。絵画に加えて工芸品の要素も合わさっている作品です。